コーティングといっても母材やコーティング材の種類、または、その目的などによって様々なものがあります。
電子源となるフィラメントに対しては、仕事関数の低い物質をコーティングすることによって効率良く電子を放出させることが可能となり、結果的に、フィラメントの長寿命化の実現につながります。
また、絶縁を目的とした酸化物のコーティングや、潤滑・撥水・耐薬品性の機能を付加させるためのフッ素系のコーティングなどもあります。
用途や目的にあわせて、母材、コーティング材いずれも、様々な材料にチャレンジし、ご要望を叶えるコーティングをご提案いたします。

イリジウムやタングステンなどの線材にイットリア（Ｙ２０３）をコーティングすることで、電子減の長寿命化に繋がります。
当社はこの技術を、主に質量分析計の電子イオン化フィラメントに応用しています。

イットリアの効果
仕事関数低減→フィラメント温度が下がる

耐酸化性能→酸素や水分を含む特殊なガスの分析ができる

アルミナは、耐摩耗性、耐食性、耐熱性、電気絶縁性などに優れた材料であることから、耐火物、研磨剤、絶縁碍子、切削工具、陶器など、様々な産業で利用されています。当社は絶縁を目的として、アルミナを金属にコーティングする技術を開発しています。

タングステンのコイルにフッ素系のコーティングを施すことによって、絶縁だけではなく、潤滑性や撥水機能を向上させることも可能となります。