Molybdenum-based materials モリブデン系材料
モリブデン材料にも純モリブデンと添加物を入れたドープモリブデンがあります。
ここではそれらについてご説明いたします。
1.純モリブデン(ノンドープ)
純モリブデンワイヤー
概要
純度99.95%以上のモリブデン材料です。添加材料を入れない純モリブデンは、マグネトロン部品、セラミックメタルハライドランプ電極の一部など、放出ガスを嫌う製品に利用しています。また、高色温度ランプ用のタングステンフィラメントコイルを製造する際、芯線として利用されます。鉄線等では溶けてしまう高温粋での熱処理が可能となり、また、タングステンが不溶の硝酸+硫酸で溶解することから、タングステンコイル製造には欠かせない材料です。
純モリブデンは添加材料が無い為、高温の機械強度はドープモリブデンと比較して弱く、溶接などによる熱脆化は発生しやすい材料です。
岳石電気での製造例
セラミックメタルハライド電極など。またモリブデンの粉はサーメット原材料にも使います。
セラミックメタルハライド電極のモリブデンコイル部(芯線もMo)
モリブデンの箔溶接をした電極組立て品
2.ドープモリブデン
ドープモリブデンワイヤー
概要
純度99%以上のモリブデン材料に、K(カリウム)を添加することで、高温の機械強度を強化した材料です。照明部品としては、電極を支える支柱の役割を持っております。ランプは石英ガラスの封止などの際、高温でガラス溶解をいたします。その熱に耐えうるモリブデンが欠かせないものとなっております。
また、板材は高温炉のボートやセッターなどにも広く利用されています。ドープ材はカリウムのほかに、Y、Ceなどの希土類またはその酸化物を添加したモリブデン材料などの準備もあり、お客様のご要望される特性にあった材料を提案させて頂きます。
岳石電気での製造例
高温機械強度が高く、溶接しても強度を保ってくれるので、様々な用途に使われています。下記写真は、タングステンコイルの熱整形処理に耐えうるようドープモリブデンで製造した整形金型です。
ドープモリブデン製金型