貴方の身近なフィラメント
こんにちは。久々に登場の川上です。
すっかり宴会部長職が定着してしまい、お客様からも「宴会部長の川上さんて、川上さんですか?」と質問される事も。
残念ながら、現在の岳石電気に川上姓は私一人なので、誤魔化せませんでした。
ちなみに、流行に敏感な私は、巷で話題の「ポケモン GO」を早速ダウンロード。
しかし、すぐにフリーズ。起動しても、何かのボタンを押すと高確率でフリーズ。調べてみると、私のi-phone 4S は非対応との事。。。(皆に、いい加減買い替えろと言われます)
悔しいので、PSの「電車で GO」でも引っ張り出そうかと思った今日この頃です。
さて、今回は皆さんに興味を持って貰う為に、身近なフィラメントをご紹介します。
必ずと言って良いほど家庭に有るランプと言えば蛍光灯です。蛍光灯の中にもフィラメントが入っていますが、蛍光灯に使用されているフィラメントは、少し変わった形状をしています。
外観的には、普通(?)に見えます。
これを電子顕微鏡で33倍に拡大して見ましょう。
ちょっと気持ち悪いですが、コイルの中にワイヤーが一本残っているのが判るでしょうか。
さらに拡大してみると、、、
この様になっています。
100μm(0.1㎜)のタングステンワイヤーの上に、30μm(0.03㎜)のタングステンワイヤーが巻かれているのです‼(一般的に髪の毛の太さが65~100μm程度です)
なぜこの様な形状のフィラメントが蛍光灯に使用されているのでしょうか。
蛍光灯の発光原理を簡単に説明すると、蛍光物質(エミッタ)を塗布した電極(ここで言うフィラメント)に電流を流す事で、蛍光物質から電子が放出し、ランプ内に封入されている水銀原子と衝突した際に紫外線を放出します。この紫外線がランプ内壁に塗布された蛍光物質によって可視光に変化します。蛍光灯の寿命は、実はフィラメントの断線では無く、エミッタの枯渇による不点灯が主な原因になります。
その為、先人方はいかに多くのエミッタをフィラメントに保持できるかに注力しました。たどり着いた結果が、上記写真の様にコイルの中にワイヤーを残す方法だったのです。
↓手持ちにエミッタ塗布済みのフィラメントが無かったので、ご参考として電極にエミッタを塗ったものの写真(白っぽいところが塗布されたエミッタ)です。
コイル内にワイヤーが有る事で、液状の蛍光物質(後に乾燥させ個体状に変化)がコイルの内側までよく絡んで沢山保持出来、長寿命化となりました。
(ちなみに、外に巻かれている30μmのワイヤー同士がくっついてもショートせず、特性は主に内側のワイヤーに依存します。)
この様に、近年のLED普及に伴い、置き換えが進んでいる蛍光灯ですが、目に見えないところで様々な創意工夫がなされています。
我々岳石電気は、長年の照明業界で培った技術を他分野に生かし、皆様へのお力になれればと思っておりますので、フィラメント形状でお困りの案件がございましたら、是非お気軽にご相談下さい。
最後までご覧いただきありがとうございました。それでは、また次回もよろしくお願い致します。