技術情報

日本でトリウムタングステンの製造ができなくなる?

こんにちは 技術課の芭蕉です。

今回は、弊社で取り扱っている材料の1つであるトリウムタングステン材料(以下トリタン)の最新動向をお伝えしたいと思います。

トリタンはタングステンにトリウムを添加した材料のことで、ランプの電極、フィラメントの材料に使用します。

トリタンを使用するメリットとしましては下記の通りです。

トリウムを添加 → 仕事関数が下がる → 低温で電子が飛びやすく(放電しやすく)なる → 電極、フィラメントの寿命が長くなる → ランプの長寿命化につながる 

高品質の特殊光源ランプの電極材料として長年使用され、トリタンを使わないと特性がでない製品が数多くございます。

昔から重宝されているトリタンですが、皆様もご存じの通り、放射性物質であり、取り扱いには環境側面から厳しい管理制限がございます。

この度、日本国内で唯一トリタンの製造を行っていた東芝マテリアル様が、2023年9月30日までに、全てのトリタン製品の生産終息をすることになりました。

弊社では、このような事態を想定し、海外製のトリタン材料の物性評価を既に行っており、代替材として提案できる材料をご用意する準備ができております。

提案できる材料は、中国材料メーカー2社となります。中国には数多くの材料メーカー様がいらっしゃいますが、実際に現地の生産工場を何社も訪問し、量産対応が可能なメーカー2社に選定しておりますのでご安心ください。試作後の評価結果をフィードバックいただければ、量産採用に至るまでをフォローさせていただきます。

また、中国材だけでは不安だというお声もたくさんいただいており、バックアップとして他国の材料入手先を調査しており、調達できるように交渉を進めている段階です。

現在、日本のトリタン材料を使用していてお困りの場合は、お気軽に岳石電気までお問合せ下さい。

2020-09-17
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