M&M 2019
営業の大坂です。2019年8月4日から8月8日まで、アメリカのオレゴン州、ポートランドで開催されたM&M2019という講演会と展示会を視察(売り込み)に行きました。オレゴン州は大学時代を4年間過ごした場所で、非常に懐かしかったので、今回はオレゴン州について少し書いてみたいと思います。
M&M2019というのは、Microscopy&Mcroanalysisの略で、電子顕微鏡の講演会と展示会です。主催は、アメリカ電子顕微鏡です。毎年、どうやって選んでいるのかは知りませんが、アメリカのどこかの都市でM&Mは開催されています。ちなみに、2018年はメリーランド州のボルチモア、2017年はミズーリ州のセントルイス、2016年はオハイオ州のコロンブスで、毎年8月の上旬に開催されています。来年はウィスコンシン州のミルウォーキーで8月2日から6日まで火災されます。
2019年になぜオレゴン州のポートランドで開催されたかというのは、車で30分もかからないとても近いところに、FEIという会社があるのも理由の一つのようです。EFIは設立当時、Field Electron and Ion Companyという名前でした。(日本語に直訳すると、電解電子とイオンの会社ということになりますね)現在はサーモフィッシャーサイエンティフィックのグループ会社になっている会社ですが、会社名が示す通り、電子顕微鏡やイオン顕微鏡の心臓部分ともいえる電子銃やイオン銃などのコアパーツだけではなく、電子顕微鏡やイオン顕微鏡自体をオレゴン州で製造しています。今年のM&Mの会場になった、オレゴン・コンベンションセンターで、ブースにいた人に、『どうして今年はオレゴンなの?』と、問いかけると、多くの人が『FEIがあるからじゃない?』と答えていました。
このFEIという会社がある街が、ヒルスボロという場所で、インテル最大の工場や、サン・マイクロシステムズの本社、Yahooの施設など、数々の技術系企業があり、カリフォルニア州のシリコンバレーに対し、オレゴン州のシリコンフォレストと呼ばれています。ヒルスボロには、エプソン、東京エレクトロン、住友電工など、日本の技術系企業も多く進出しています。進出しているというよりは、日本企業を積極的に誘致し、これをきっかけにして、ハイテク産業基地を森林地帯に作っていったのは、オレゴン州です。
EFIが設立されたのは、ほぼ半世紀前の1971年です。(ちなみに、ナイキが設立されたのが1972年で、本社はオレゴンにあります。設立者の一人は今でもオレゴンに住んでいます。)なぜEFIがオレゴンにあるかというと、リンフィールドカレッジという、同じヒルスボロにある大学で教授をやっていたリンウッド・スワンソンという方が教授を辞めて設立したのがこのEFIという会社だからだそうです。現在では、日本の企業の子会社となった、今回のM&M2019にも出展をしていた、アプライド・フィジクス・テクノロジーズという会社の社長さんも、このリンフィールドカレッジの卒業生で、日本企業の子会社になる前は、FEIに電子銃を納めたりもしていたそうです。ヒルスボロほどポートランドに近くはありませんが、この会社もやはりオレゴン州んあります。岳石電気でも電子銃のアッセンブリー品や、電子銃のフィラメントなどを製造していますので、競合といえば競合です。けれども、同じオレゴン州で大学生活を送ったということで、お互いに気が合ったのか、ずいぶんブースに長居をしてしまいました。ちなみに彼らは電子銃の中でも、LaB6やCeB6を先端に取り付けたものが得意なそうです。長居をしたのはよかったのですが、仕事の話が50%で残りはオレゴンからみの雑談でした。
この社長さんや、オレゴン州政府関係の人を通じて知り合ったFEIの人や、JAXAに自分たちの製品をJAXAに納めて、実際に小惑星探査機『はやぶさ』に搭載してもらった会社の人など、今後アメリカに出張の」際に、オレゴンに寄るいいきっかけとなった今回の出張でした。