技術情報
開発レポート
短尺コイルの作成
こんにちは。技術課の川上です。今まではどちらかと言うと長尺コイルの紹介をしてきましたが、今回は短尺コイルの紹介をします。
特に医療用マーカーとして利用されるコイルは血管の中を通る為に、コイル外径が有る程度決まってしまいます。なので、使用するワイヤー自体もかなり細いものが使われています。弊社の場合だとφ0.05~0.08㎜が良く使われており、外径もφ0.4mm前後が多いです。この様な細さになると、バネ屋さんが使う様な巻線機ではワイヤーにコシが無い為、かなり難易度が高くなってしまいますが、光源用のフィラメント用途で開発された弊社の巻線機の場合は芯線に巻線する為、自由度が高く融通が利きます(特に試作では専用ツールを必要としないので比較的安価に出来ます)。
今回紹介する短尺コイルは、芯線に巻き付けた後に「スライスカット」したものです。
全長は0.6㎜ 外径はφ0.35mm ワイヤー径:φ0.05㎜
もはや肉眼では判断出来ません。。。
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拡大してみると、、、
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マイクロスコープでの写真がこちら
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全長の公差は±0.1㎜が可能です。
課題としては、スライスカットしているので、末端がまくれ上がってしまう事です。
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末端を拡大してみると、、、
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上面奥が少し浮いてしまっています。
現在はこの末端をどの様に改善するかに取り組んでいますので、進捗があれば、次回ご報告致します。
2019-09-10