あかりの日
営業の大坂です。
9月14日に日本照明工業会の『2018年秋季懇親会』が開催されます。岳石電気も工業会の会員になっていますので、本日の懇親会に参加します。昔から、賀詞交換会や懇親会などの工業会が主催するイベントに参加してきましたが、参加するメンバーが随分様変わりしました。政府がLEDを推進するようになってから、以前のような、東芝ライテックさんや、パナソニックさんのように、あらゆる種類のランプや器具、取り付け部品など、家庭用から産業用まで、照明に関するものでしたら何でも作る照明総合メーカーさん。ランプの製造に特化する、ランプメーカーさん。器具を専門に製造する、器具メーカーさん。HIDやローボルトハロゲンなどのランプを点灯させる安定器やドライバーを製造する、安定器メーカーさん。そして、岳石のように、ランプのフィラメントや電極を製造する、部品メーカーなど。照明の世界は、なんとなく、うまい具合に住み分けがついていました。ところが、LEDが一般照明の世界に進出してくると、その住み分けが大きく変わってしまいました。
LEDはチップ(またはモジュール)とドライバーを入手することができれば、比較的簡単に、ランプを作ったり、器具を作ったりすることができます。ランプメーカーさんが、器具一体型のランプを作ったり、反対に器具メーカーさんがランプ一体型の器具を作ったりと、今までのような、住み分けというのが、なくなってしまったような気がします。
現在、岳石電気の製造するフィラメントや電極は、ほぼ100%特殊用途に使用されるランプ向けです。例えば、ヒーターランプや分析機器用のランプなど、熱の問題や、波長の問題で、LEDを使用してランプ化するのが難しいものがまだまだあります。
先日、ヨーロッパからフィラメントの引き合いがありました。ランプ用途を聞くと、信号機用とのことで、ランプの仕様も送ってきてくれました。それをみますと、どうやって作るのかはわかりませんが、ハロゲンランプで寿命が25,000時間とあります。以前に、ドイツに出張に行った際に、ヨーロッパ諸国が、アフリカを植民地化した際に、鉄道や道路などのインフラを整備したと聞きました。そのころに設置された信号機が、おそらくいまだに使われており、それに必要なランプなのではないでしょうか。
LEDの最大の特徴は省エネです。ヨーロッパでは、商業施設や一般家庭を中心にランプ効率の悪いランプを段階的に効率の悪い順に使用禁止にし、LEDへの切り替えを求めてきました。日本の街の公民館のステージよりも小さいような、劇場の多いヨーロッパでは、効率のよくないハロゲンランプは、例外的に使用を認められてきましたが、今回は、例外を認めない方向で規制をかけようとしています。資金に余裕のある、大きな劇場は、これを機に劇場照明をLED化するということも可能ですが、小規模で、資金に余裕の無い劇場には無理な話で、今後、ものすごい数の劇場が廃業に追い込まれるといわれています。省エネの重要さはわかっているつもりですが、すべてをLED化するというのはどうなのでしょうか?このような、小規模な劇場は、淘汰されたほうがいいのでしょうか?
10月21日はあかりの日です。工業会からは恒例のポスターが送られてきました。10月21日はエジソンが初めて実用的な白熱電球を開発した日です。ポスターの中心に、小学生が描いた絵がかかれています。これをみて、『なんとなくこれはLEDの光じゃないな』と感じたのは、自分だけでしょうか?