医用部品のタングステン微細加工
こんにちは、技術開発部の木村です。
今回は、タングステンを使用した細いスリットや細穴加工について紹介いたします。
医用X線管装置関連のJIS規格の中には、タングステンを代表とした素材で、スリットやピンホールの仕様が決められている部品があります。
その規格にあわせて加工トライしたもので、まずは、スリットの加工品です。
スリットの形状は、長さ5mm、幅0.02mmの深さが約0.01mmとなっており、そこから8°のテーパーで板厚1.5mmまで抜けています。
JIS規格では、スリット幅が0.01±0.005mmにより、結果、少し広めになってしまっています。
この加工については、再チャレンジしてクリアしますので、次回報告させていただきます。
次に、以前にも少しだけ紹介させて頂きましたピンホールについてです。
穴形状は、φ0.1mm、深さが約0.5mmで、これも板厚1.5mmまで8°のテーパーの貫通で、これは、JIS規格どおりに出来ています。
JIS規格には、この形状よりも、更に細い穴の規格があるので、それらについても、今後のテーマとしてチャレンジしていきます。
医用部品の規格とは関係ありませんが、その他の加工事例について、一部紹介させていただきます。
機械加工による穴あけで、それぞれ材質がモリブデン、タンタルです。
モリブデン:φ0.6mm(外形0.9mm)×深さ3.5mm
片肉が0.15mmで薄いのことも特徴です。
タンタル:φ0.9mm×深さ10mm
タングステンとモリブデンはもちろん、タンタルも材料の特徴が異なるので、それぞれに応じた条件で加工する必要があります。
今後も様々なものにチャレンジしていきますので、お困りのことがございましたら、是非お問合せ下さい。
加工方法だけでなく、材質、形状など、色々なご提案とともに問題解決にご協力させていただきたいと思います。