技術情報
開発レポート

樹脂コーティングワイヤーのコイリング

こんにちは。

先日、やっと携帯電話を i-phone4S から i-phoneSE に機種変更し、快適な携帯インターネットライフを満喫している川上です。(通信速度の速さに時代の進歩を実感しました、、、)

 

さて、今回は私がトライしている課題について説明させて頂きます。

 

弊社が手掛けている医療用ガイドワイヤーでは、コイルの外側にフッ素樹脂(PTFE)コーティングを施される事が有ります。

一般的にPTFEの特徴と言えば、絶縁、色選択(黒、緑、青など)、潤滑・撥水機能、耐薬品性、摩擦係数小などが挙げられます。ガイドワイヤーとしては、血管内に挿入するので血管を傷つけない様に、潤滑・生体に対して不活性であることが重要となり、血管と接触する可能性の有るコイルの外側がコーティングされていれば良いのですが、もし、マグネットワイヤーとしてよく利用されているポリエステル銅線の様に、素線状態にコーティングをしたものを巻線したら面白いのではないかと思い、実際にテストしてみました。

 

今回は、SUS304 φ0.1㎜ のワイヤー素線にPTFEをコーティング(t=0.01)したものを準備。

 

PTFE ワイヤー2 PTFE ワイヤー

PTFEコーティング処理を施したワイヤー     境目(銀白色の部分が素線のSUS304ワイヤー)

 

これを実際に巻いてみました。

実際に出来上がったコイル(外径φ0.8㎜)がこちらです↓

 

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ピッチ(隙間)有り              ノーピッチ(密着巻)

 

ある程度、再現性も確認でき、提供させて頂ける状況になっております。現在はどの分野で使用されるかはまだ、確定しておりませんが、先に述べたPTFE及びSUSの特徴から、絶縁かつ耐熱(230℃)を活かした用途が考えられます。もしくは、内径内側までコーティングされている事を利点としたガイドワイヤーが有れば、、と思っております。もし、何か使えそうな案件があれば是非ご相談下さい。

コーティング・巻線での課題解決や、他の素線・コーティング材料でどうなるか、次回以降でも紹介していきたいと思います。

 

それでは、また次回お会いしましょう。

 

2017-03-31
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