タングステン

ここでは、岳石電気が多く使用するタングステンについて、その基本的で代表的な特長や物理性能をご説明します。

タングステン基本物性

タングステン鉱石

タングステン鉱石

(1)特徴
  • ・高融点。金属中もっとも融点が高い。
  • ・重い。密度が高く、高比重。
  • ・硬い。高い引っ張り強度、硬さ。
  • ・高温に強い。高温強度が強く、熱膨張係数が金属中最も小さい。
  • ・放射線を通しづらい。
  • ・腐食しにくい。耐酸・薬品性能が高い。
(2)物理的性質
項目名 単位等 内容
原子番号 74
原子量 183.85
同位元素 180,182,183,184,186
結晶構造 体心立方格子構造
融点 単体 3387℃
沸点 単体 5527℃
密度 g/cm3 19.3(20℃)
仕事関数 eV 4.5
電気抵抗 Ω・m×10-8 5.5×10-8
 300K 5.65
 600K 13.07
1000K 24.26
1500K 39.5
2000K 55.71
2500K 72.71
3000K 90.4
線膨張係数 1/K 4.5×10-6(0-100℃)
蒸気圧 ×1.33Pa 2067℃ 10-6
2207℃ 10-5
2367℃ 10-4
2547℃ 10-3
2757℃ 10-2
2377℃ 10-1
3007℃ 1
3642℃ 10
ヤング率 N/mm2 3.45×105
モース硬度 7.5
ビッカース硬度 MPa 3430
剛性率 N/mm2 1.554×105
ポアソン比 0.284(20℃)
引っ張り強さ N/mm2 線径φ1.0: 1667(as drawn)、1373(1400℃Anealed)、784(2200℃Anealed)
化学反応 空気 室温で無反応。400℃で酸化始まる。700℃で急速にWO3形成し酸化。
水蒸気 700℃以上で酸化が急速に進行
窒素 2,000℃迄は反応しないが、1,700℃迄3段階の吸収がある。
水素 反応せず。但し、1,200℃以下で微量の吸収がある。
塩酸(室温) 反応せず。
塩酸(熱液) 僅かに侵される。
希硫酸(室温) 侵されない。
希硫酸(熱液) 僅かに侵される。
濃硫酸(室温) 僅かに侵される。
濃硫酸(熱液) 徐々に侵される。
硝酸(熱液) 僅かに侵される。
弗酸 侵されない。
硝酸+弗酸 急速に侵される。
王水(熱液) 僅かに溶け、酸化膜を作る。
苛性ソーダ(室温) 侵されない。
トリア 2200℃で僅かにトリアを還元する。
アルミナ 2000℃でアルミナを還元する。